八百文字程度の映画ブログ

古今東西膨大な数の映画から、あなたが観たい映画を見つけるお手伝いが出来ればと思い、つづります。

「ガタカ」狂おしいまでの努力

こんな方におススメ!

・才能は努力で補えると信じている ・夢に挫折したことがある ・腐女子

 

はじめに

DNAを軸としたSFでありながら、描いているテーマはどの時代にも通じる泥臭いものです。映像は残酷なほどに美しく、主人公が地べたを這いずり回る感じとの対比に胸があつくなります。

イーサン・ホークジュード・ロウというイケメンが共に20代半ばの充実した年代で、野心的な魅力をかもし出しているところも見所です。

 

見所1.音楽が美しい

映画音楽の雄、マイケル・ナイマンによるサントラが本当に美しいです。メインテーマの映画へのはまり具合は完璧といえるほどで、音楽を聴くだけで映像が目に浮かびます。このメインテーマが「見所2」でも流れますが、気持ちが高ぶることこの上ない使い方をしてきます。

 

見所2.兄弟競泳対決

DNAで優劣がつくはずの兄弟の立場が、「努力」によって覆される、海を泳ぐ印象的なシーンがあります。そこで主人公が放つ「子どもの頃は、戻ることも考えずに全力で泳いだ」が心に刺さりまくりです。

映画全編でも象徴的なシーンですが、SFであり、無菌室のような美しい映像が連なる中で、「海」をその象徴に選んだところが上手いです。

 

見所3.最後の一言が忘れられない!

ネタばれもいいところですが、クライマックスの検査場のシーンが素晴らしいです。意表をつく尿検で計画の失敗を悟った主人公が、「忘れないでくれ、ぼくは頑張った」というセリフは、才能は無くても己を信じて極言まで努力した全ての者に捧ぐ一言です。

主人公がハンディキャップを凄まじい努力で乗り越えようとしたことを、観手に納得させることができているからこそ、響く一言です。

自分が本当に頑張り切っているかどうかを振り返るときに、このセリフが脳裏に浮かびます。

ちなみに、同じシーンでの「右利きは左で持たない」も名言です。偽装するときは注意しましょう。

 

おススメ度……80%

100%おススメと言いたいところですが、1回目の衝撃と、思い出フィルターがかかりまくっていたせいか、2回目に観た時には1回目ほどの感動は無かったので、80%ぐらいに留めておきました。

おススメポイントは他にもたくさんあって、「ジュードロウ完全燃焼」「風にさらわれた…」「涙の全力疾走」など、見所の多い映画です。

 

(1997年、アメリカ)